ナイスタンバリン/コジマ

新しいNHK朝の連ドラが始まった。
通して観たのは最初の第一回目だけで、あとは飯喰いながら時々チラチラと眺めただけなのだが、何だか又駄作の予感がする(だからちゃんと観る気が起きないのかも。全部観てる方居ます?どうですか、面白いですか)。


主演のマナカナが全然可愛く無いのは素材のせいもあるかもしれないが、なにしろNHKは女優さんを不細工に撮る事にかけては右に出る者が居ないので、まあそれは折り込み済みである。
キャスティングが無茶苦茶なのも、脚本が良かったらそのうち馴れるから目をつぶろう。


観る気を無くすのは、あのストリートライブをやっているバンドが痛いってえのが第一の要因か。
もう出てこなくなったけど。
ああいうタイプのストリートでやっているバンドってのはリアルでも激痛な奴らがほとんどなんだけど、それにしても「赤いスイートピー」と「守ってあげたい」が持ち歌ってどうよ。


メンバー編成も気になる。
3人編成で主役がボーカル&ギター、それにリードギターまでは良いとして、もう一人が「タンバリン」専門って設定は如何な物か。
ネタかと思ったらやっぱりネタだったんだけどさ。
GS時代の境正章が「リードタンバリン」を名乗っていた事があったが、しかし堺はリードボーカルでも有った訳です。
しかし「だんだん」のアイツは、タンバリン以外ではごくたまにコーラスを入れる程度だ。
(ちなみに井上順は「サイドタンバリン」というパートだったが、メインボーカルでも有った。)
いや、タンバリンだって極めようと思うとそれなりに難しいのかもしれない。
しかし、ドラマの中で奴がタンバリン道を極めようとする姿は、多分描かれることは無いと思う。これっぱかしも。


「だんだん」のミスタータンバリンマンと似たポジションの奴を観たことがある。
イギリスに「Gallon Drunk」と言うバンドが居るのだが、そこにマラカスしか振らないメンバーが居たのだ。
コーラスもやらない。
他のパーカッションなんかもってのほか。
もう徹底してマラカスだけ。
リーダーでボーカルのジェイムズ・ジョンストンなんか歌いながらギター同時にオルガンを弾く、と言う忙しすぎる男なのに、とにかく彼はマラカスしか振らないのだった。


90年代に一度来日していて、その公演を観に行ったのだが、マラカス男はファッション的にも異彩を放っていた。
Gallon Drunkの音楽はバースデイパーティーをバックにプレスリーが歌っているみたいなジャンクなフィフティーズでも言うべき音で、メンバーのファッションもリーゼントにスーツでキメていたのだが、件のマラカス男だけ無造作な長髪、メガネ、そしてヨレヨレのジーパンで全然浮いていたのだった。
一番地味っちゃあ地味なんだが、他と違うから逆に目立ちすぎだ。
そうしてやっぱり、マラカスしか振らないのだった。
ハッピーマンデーズのベズみたいに、踊ったり客を煽ったりする事もなく、ただ突っ立って。
あ、いや、マラカス振りながらタバコも吸ってたけど。しかも曲の最中に。
しかし、なんだったんだろう、彼は。
もしかして、彼がリーダーだったのだろうか。
メンバー募集したのも彼だったかもしれない。
「全パート募集。当方マラカス」とか雑誌に載せて。


ちなみにギターボーカルオルガンのジョンストンさんはブリクサの代わりにバッドシーズでもギターを弾いていたりするのだが、ちょっとググってみたところ、先日のファウスト来日公演のギター担当でも有ったらしい。
ファウストとガロンドランク。
全然繋がらない。
どっちかと言うと、あのマラカス男の方がマッチしそうだ。
訳が分からないと言う点において。