シンクロニシティ/コジマ

木曜日、古い知人のT君に駅前のマクドに呼び出され、バンドに勧誘された。
なんでも「マリア観音」みたいな曲をやりたいそうなのだが、俺はマリア観音はかなり昔に一度ライブを観たことがあるだけで、しかもその時はゆらゆら帝国目当てであって、彼らについてはまるで印象に残っていない。
「ごめん、俺そのバンドについてよく知らないんだけど、どんなのだったっけ?」
と訊くと
「演歌ロックだよ。たとえば、中森明菜とか竹内まりやとか」
と言う。
中森明菜竹内まりやも、知ってはいるが意識して聴いたことは一度も無く、それにお朧気な記憶によると、竹内はモータウンっぽかった様な気がする。
まあ演歌ロックにしろモータウンにしろ、T君は俺がノイズ上がりだと言うことを知っているだろうにどうしてそのバンド誘うのかまったく理解出来ず、とりあえず今度デモテープを聴かせてもらうことにしてその日は別れたのだった。

翌金曜日、友人の子供のお誕生会に出席した。
お誕生会と言っても要するにそれをダシにした飲み会で、久しぶりに高田馬場の名店・プリックタイで鯨飲馬食。
帰りはいつもの如く同じルートのU君と一緒だったのだが、
「僕、バンドに誘われてるんですよ。なんでもマリア観音の人とかも居るみたいで」
と言う。
どこかで聞いたような話だ。

翌土曜日、バンドリハでスタジオに行ったところ、カノウプスのポスターが貼って有り、ボーカルのK君とそれについてしゃべっていたら、マリア観音のメンバーもカノウプスユーザーだ、と言う事を聞いた。

前述したとおり、俺はマリア観音について意識した事は今までなく、ここ10年以上その名を聞くことすらなかったのだが、この3日で3回も話題になるとは。
もしかしてこれからマリア観音ブームが来るのか?と思ったが、ネットでしらべたかぎりではそれは無さそうだ。



こういう事が最近もの凄く多い。
その前も、ブックオフ浦沢直樹の新作を立ち読みしていたら「下山事件」がモチーフになっていて、伊集院ラジオの録音を聴いていたら「下山事件」がネタになっていたのだった。
多分、下山事件ブームが来ているわけでは無いと思う。

で、同じ録音データで、鉄道会社でダイヤを作る人を「スジ師」と言うんだよ、と言うような話題が出ていたのだが、その夜に何気なくテレビをつけっぱなしにしていたらNHKで「スジ師」についての番組が始まった。
スジ師ブームは絶対無いだろう。



下山事件にしろスジ師にしろ、やはり俺の日常には無い話である(特にスジ師と言う単語は、この日に初めて聞いた)。
これがアレか、シンクロニシティって奴か?

あげくのはてには、この日記を書いて某ミクシに上げようとしたら、マイミクさんの最新日記がシンクロニシティについてだった。
その上、その日記の内容(の一部)が大逆事件漱石についてであり、俺も別件でそれについて興味を持ち、今まさにそれについての本を読んでいる途中なのだ。

こういう事を気にしすぎているとピチガイになりそうだから、もう考えるのはよそうと思う。
頭が疲れた。