ジャンボ/コジマ

実家の近所を散歩中、用水路の壁や、水田に植わった稲の茎などに、ショッキングピンクの塊がたくさん付着しているのを発見。
ジャンボタニシの卵塊だ。
我が故郷の、風光明媚....とまでは言わないが、それなりに美しい山里の風景が台無しである。

用水路や水田の水中をのぞくと、あのタニシと言うにはあまりにも触角が長過ぎるグロい姿でいっぱいだ。
標準和名「スクミリンゴガイ」通称ジャンボタニシと言うこの巨大な巻貝は、30年ほど前にエスカルゴの代替品として、輸入業者が我が国に持ち込んだ外来種である。

が、いくら洋食化が進んだとは言え、我が国の四方をグルリと囲んだ海にはサザエやツブガイなど美味い巻貝がいくらでも居るのである。
何が悲しくてデンデンムシなぞ食わなくてはならんのか。
当然まったく採算ペースに合わなかったこのデンデンムシの偽物、持て余した業者が廃棄したり、潰れた業者の養殖池から逃げ出したりして、いまや西日本の水田で爆発的に繁殖しているそうな。
繁殖力が強い上、在来種のタニシなどと比べると圧倒的に農薬への耐性があるらしい。
今や我が郷里の田畑でタニシは駆逐され、代わりにこの風情もへったくれもないジャンボタニシがノしている次第だ。
我が国の自然は脆弱で、微妙なバランスの上になりたっている。
セイタカアワダチソウブルーギルもそうだが、同じ土俵の上に立つと日本の在来種はひとたまりも無いのである。
土俵と言えば、昨今の相撲もそうですね。

憎むべきは無責任なゼニゲバ輸入業者であり、ジャンボタニシに罪は無いのはわかっちゃいるのだが、やっぱり俺は好かんばいコイツら。
だってタマゴがピンクよ?
あり得へん。
認めへん。
なんとか一矢報いる事は出来んだろうか、と思い、持っていたビニール袋に半分ほどもって帰ってきた。
どうするのか?
もちろん食うのである。
「大味だ」「泥臭い」と言う事を聞いたような記憶があるのだが、一応食用で輸入されたコイツらである。
2〜3日、清水で飼って泥を吐かせれば食えん事はあるまい。
和食がダメならガーリックとバターで炒めればどうだ?

そう思って、流しで米研ぎよろしくバケツに入れて洗い、ネットで「ジャンボタニシ」「料理」など入れてググってみたのだが、出てくるのは「稲に被害」「繁殖力が強い」「日本人の口に合わない」などというネガティブな情報ばかりで、調理法が全然出てきません。
その上「広東住血線虫の中間宿主だから、なるだけ素手で触らないでね」などと言う情報まで出てくるじゃないですか。
げっやべえ、思いっきり鷲掴みにしちゃたよ。

料理する際には念入りに加熱せにゃならんね(まだ食う気か)。