夏休み/コジマ

買い物に行く途中、近所の陸橋を渡ろうとしたところ、数人の中年男性が高そうなカメラと望遠レンズを持って談笑していた。
我が家の最寄り駅と隣駅の間は、見通しの良い、長い長い切り通しになっており、この陸橋の上は電車の写真を撮るには絶好のスポットである様で、しばしば鉄道マニア(以下テッちゃんと記す)がバズーカみたいな望遠レンズを構えて陣取っているのだが、大方の場合彼らは孤独であり、この様に複数でなおかつ楽しそうにしているのを見るのははじめての事だった(尚、テッちゃんが普段から孤独を愛す生態なのかどうかは知らない。ただ、この陸橋での彼らは、大体において単独行動が多いと言うだけの話なのかもしれない)。
買い物をすませて同じ陸橋を通ろうとしたところ、さらに数が増えていて、総勢10名ほどにもなっていた。
皆、楽しそうだ。
見れば、多分還暦に手が届きそうな壮年男性も居れば二十歳そこそこにしか見えない若者も居る。
普段より随分とテッちゃんの数が多く、しかも様々な世代が入り交じっているのは、多分夏休みだからだろう。
多分、今年の夏、一番「夏休み」を感じたのは、今日のこの瞬間である。

で、多分お盆にも夏休みが取れず、とりあえず買った18切符を眺めながら、旅に思いを馳せているテッちゃん達のために、素敵なコンピューターゲームの企画を思いつきました。
題して「テッちゃんの夏休み」。
ゲームは、あなたの最寄り駅から列車に乗り込むところから始まる。
ゲーム中の列車は現実のダイヤ通りに動いているので、あなたがゲームを始めるときは現実の時刻通りで無いといけない。つまり、始発に乗りたかったら、始発の時間に起きてゲームを起動させないと駄目ね。
んで、現実通りに普通列車や快速、急行等を乗り継いで、スタンプラリーみたく、ゲーム中にいくつも設定されているこういう「撮影ポイント」で写真を撮り、ネット上でその写真の「数」と「出来」を、同じゲームの参加者と競うのである(「出来」については参加者の投票で優劣を決める)。
別に、誰かと競うつもりがなくても、日本中「旅」して回るだけでも結構楽しいと思うのだが、どうか。

問題があるとしたら、多分日本中回って画像を採取し、事と次第によってはそれをCGにしなければいけないだろうから金がナンボあっても足らんだろうなあ。
あと、たとえもし金が有ったとしても、プログラムするのに時間が掛かりすぎて、多分ダイヤの改正とかに間に合わないだろうなあ。
そういうささいな問題をクリアして、誰か作りませんか。
俺、18切符分ぐらいの値段だったら、そのソフト買うけど。

まあそんな妄想をしつつ、明日からしばらく帰省します。
18切符じゃなくて新幹線で。