企み/オノテツ

昨日の仕事が昨日のうちに終わらず、そのまま休憩なしでぶっ続けでやって、ようやく今朝6時過ぎに解放された。
昼の1時からメシも食わずトイレにも行かず、どうにか早朝には終えることができたが、もし食事をとりながらノンビリやっていたら集中力も途切れがちになり、おそらく9時になっても終わらなかっただろう。
こういう切羽詰まった現場仕事は一気に片付けないと、後々自分のクビを絞めることになるのだ。


しかし、そんな非人間的なペースで仕事ができるのも今だけで、お盆前あたりから徐々に仕事がなくなるというのがこの業界の常である。
今のうちにタンマリ稼いでおかないと、シャレではなく本当に食いっぱぐれることになる。
ところが、いいのか悪いのか、ちょうどお盆を過ぎたあたりにヨメさんが出産予定ときた。
ついては、どうせ仕事がなくて暇な時期だから、この際オレも便乗していっしょに産休に入ってやろうと企んでいる次第である。
ライブのほうも、7月21日の円盤でのソロを最後にしばらくやらないつもりだ。
今のうちにやるべきことをすべてやって、8月に入ったらすみやかに引きこもる所存である。


とはいえ、実際に産むのはヨメさんであり、何の役にも立たないオレは家にいてもヒマをもてあそぶだけだろう。
ヒマになれば、ひょっとしたらかつてのようにマメに日記を書きはじめるかもしれない。
間違っても「減点パパの満点!子育て日記」みたいなものにはならないと思うが、それでもそれなりにオヤジくさいことを書き出すのだろうか。
見渡せば、周りにはすでにパパになった友人が何人もいるが、ほぼ例外なく親バカっぷりを発揮してくれている。
短足で頭でっかちな上に、身勝手でろくに口もきけないような輩のいったいどこにそれほどの魅力があるのか、不思議でならないのだが、教師が出来の悪い子ほどかわいいと言うように、その無力さ、至らなさが親の気を引くのだろう。


そんな子どもの浅はかな悪知恵にダマされぬよう、気を引き締めて臨もうとは思っているものの、はなから勝ち目のない勝負に挑んでいる気がしなくもない。
敗者の日記をぜひ楽しみにしていてほしい。