新しい妖怪/コジマ

我がバンド、ギロチン工場は、スタジオの後の呑みまでが練習である。
遠足は家に着くまでが遠足であるのと同じく、これが道理である。

そう言うわけで、今回の後半練習は毛根に不自由しているメンバーと毛根が異常に多すぎるメンバーのニックネームを考えたのだが、2種とも何だか妖怪じみているのだった。


「雨気付き」
曇天や夕立が来そうな夕暮れ時などに現れ、誰よりも早く雨粒が落ちてきた事を教えてくれると言う。

「雨知らず」
土砂降りなのに雨が降っていることに気づかず、平気な顔で歩いている男を見かけたら、それは「雨知らず」である。

尚、「雨知らず」は齢を重ねると「雨気付き」に変化することもあると言う。
逆に「雨気付き」が「雨知らず」になっていた場合、我が国ではあまりその事に触れないのが大人のルールである、とされている。