不安/オノテツ

先週、はじめて区民健診というのを受けたら、尿に血液が混じっているだか、血液に尿が混じっているだか、どっちだったか忘れたが、とにかく混じっているから再検査するはめになった。
そして今日、結果を聞きにいったら、何の心配もいらないとあっけなく言われ拍子抜けである。
さして心配などしていなかったが、そう断言される何だか心配になってきた。
再検査のとき他人の尿と取り違えたのではないか、とか、他人の飲みかけのウーロン茶と取り違えたのではないか、とか、ウーロン茶と間違えて他人の尿を飲んだのではないか、とか、頭の中からさまざまな疑念が沸き出て止まらない。
こんなことなら再検査などしなければよかったと思う。


とはいえ、入院したり手術をしたりと面倒なことにならなかったのは幸いで、その点に関してはホッとしている。
入院は退屈で嫌だし、手術は痛いからもっと嫌だ。
だから、ホントは健診など受けたくないというのが正直なところで、受診して悪いところが見つかりでもしたら、入院や手術をしなければならないから困るのである。


だが、悪いところを放っておいて後々苦しむのはもっと嫌だから、仕方なく受ける。
苦しみながら死ぬというのがもっとも嫌である。
そういう人の弱みにつけ込むのが健診であって、生命保険や損害保険と同様、人間の不安を食い物にしているわけだから、どうも虫が好かない。
好かないが、やっぱり不安は不安だからつい頼ってしまう。
オレは血液がサラサラになる腕輪を付けているから大丈夫と言えるくらい、図太い神経で生きたいものである。