変なドラマー/コジマ

渋谷クワトロにて、BATTLESの来日公演を観戦。

スゲえライブをするというウワサは聞いていたのだが、実際観てみたら噂以上。
音源では精巧な工芸品みたいな印象だったが、ライブで聴くと緻密なアンサンブルはそのままに、さらにゴスペルの様な高揚感すら有る。

ギター/キーボードの三人も凄いのだが、それ以上にドラマーのJohn Stanierのド迫力にはヤられた。
彼の鬼のようなドラムが無かったら、多分BATTLESってもっと通ウケするバンド程度の評価だったんじゃなかろうか。
派手なドラムソロなど無く、ひたすらビートを刻んでいる(まあリズムパターンは変態的だったりするのだが)だけなのだが、とにかく引き込まれる演奏なのだ。

考えてみたら、ヘルメットも妙なノリも彼のドラムに寄るところが大きかったと思う。
ヘルメット時代から言えることだが、彼のドラムは正確なのだがまったくグルーヴしない。
かと言って機械的なのかというとそうでは無く、優れて肉体的。
上手く言えないがなんか変。

そのみょうちくりんさは演奏以外にもあらわれていて、演奏やキャリアからしてメンバーの中でも一番ロックスター的豪快さんなのかと思っていたら、演奏する姿(鬼の様でしたよ、やっぱり)以外はいたって地味、というかやっぱり変。
アンコールの時、他のメンバーはまあフツーに「イエー」ってな感じで手を挙げて出てくるのだが、JOHNは気が付いたらいつの間にかドラムセットに座っていたのだった。いや、別によそ見していた訳じゃないですよ、出てきたら一番大きな拍手で迎えようと思って待っていたのに、いつの間にか座っているんですよ。
「あれ、どうやって出てきたんだろう」と思い、2回目のアンコールの時注意して見ていたら、他のメンバーが出てくるときにその陰に隠れて一緒にステージ袖からコソコソと出てきてサッとアンプの後ろに隠れ、やはり他のメンバーが客席に手を振ったりしてアピールしているスキに身をかがめてドラムにササッと走り寄り、そしてソッと椅子に腰を下ろす、という方法でステージに登場していた事が判明。
シャイなのかお茶目なのかよくわからんのだが、なんか良いぞJohn Stanier
すっかりファンになりました。
TOMAHAWKも観たいなあ。
望来日。