ビバチバ/オノテツ

この週番日誌だったか、あるいはミクシの日記だったかよく覚えていないのだが、以前にも千葉の奥の深さについて書いたことがあるかと思う。
今日、またしても千葉の奥深い部分まで潜入する機会があり、その魔界のような魅力を味わってきたところだ。
JR佐倉駅から東の方角と、JR千葉駅から南のいわゆる房総一帯。
このエリアをオレは勝手に「奥千葉」と命名しているのだが、ここに足を踏み入れるとまるでメルカトル図法で南北に広がったように縮尺の感覚が狂わされる。
地図を横目で見ながらクルマを走らせていると、行けども行けども広大な畑は尽きず、またどこまでも雄大な山々が続くように感じられ、いつしか狭い地図の範疇を飛び出し、別次元に突入するのではないかとの錯覚に陥る。


しかし実際には、千葉の畑はそれほど広いわけではないし、山もそれほど高くそびえているわけではない。
もっと広大な土地を持つ地方はたくさんあるし、より高い山などいくらでもさがし出すことができるだろう。
それなのに、奥千葉ではなぜか世界が数値以上にデカく感じられるから不思議だ。
それこそが他の地では味わえない千葉ならではの魅力である。
理由はわからない。
もしかしたら道路がおかしな角度に傾いているのかもしれない。
あるいはメルカトル爺さんのマジックにしてやられただけかもしれない。


千葉と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、かの長嶋茂雄を生んだ土地だということである。
記録より記憶に残る選手との評判通り、現役時代の記録を見ると、たしかに数字の上では王や野村には及ばないのだが、しかし印象度の高さでは彼らをはるかに凌ぎ、ひときわ大きな存在感を放っていた。
その長嶋の出身高校が佐倉一高(現佐倉高校)という事実は、単なる偶然では済まされない。
数値以上にデカく感じさせるという奥千葉の特徴をよく体現しており、必然によるものといっても言い過ぎではない。


長嶋だけではなく、たとえば世界を股にかけて活躍するソニー千葉こと千葉真一なども、アクション俳優としての実績以上にやけに大きな存在感を放っており、むしろ「ソニー奥千葉」呼ぶにふさわしい立場を築いている。
一方、世界に先駆けて電脳アイドルとなったチバレイこと千葉麗子は、大方の予想に反して着実に企業経営をこなし、最近ではヨガにはまってそちらの指導も行うなど、千葉は千葉でも船橋津田沼あたりのベッドタウン的な手堅さを感じさせる。


かように、千葉についてはいくら書いても書き足らないほどであるが、これ以上書くと奥千葉の深い闇に捕われたまま抜け出せなくなりそうだから、今日はこの辺でやめようと思う。
続きは、気が向いたらまたどこかの日記に書くかもしれないが、いつどこで書くかは千葉しだいである。