おんなのこ/コジマ

電車に乗っていたら、凄く不思議な服を着た妙齢の女性が乗り込んできた。
上手いこと表現出来ないのだが、大久保清ローザ・ルクセンブルグ時代のどんとを足してシャーロック・ホームズで割った感じ。って余計わかりにくいな、それってどんなだ。
つまりまあ、随分と奇抜な出で立ちなのだが、しかし全然痛い感じじゃなくて、なんというかよく似合っており、有り体に言えば大変に可愛らしかったのである。
大久保清だったら、声を掛けて誘拐していたと思う。

女性の服飾というのは、男のそれと違ってずいぶんとバリエーションが多く、中には流行り廃りと関係有るのか無いのか知らないがこのように変わった服装もちらほらとある。
そうして、イイ感じに着こなしている人も多数存在する(中にはまあ何というかパンチの効いた痛い感じの人もいるが)。よく考えたら凄いことだ。
男には大体、そう言うセンスが皆無だ。
男性でも、例えば原宿やヒッピー系の祭りなどに行くと、ずいぶんと奇抜な出で立ちをした者をちらほらみかける事が出来るが、似合っている感じの人を今まで一人も見たことがない。大体において、珍しい昆虫のコスプレか、ユザワヤに忍び込んだコジキにしか見えないものだ(まあ女性にもそう言う人も少なくなくないのだが)。
そう考えると、女性は凄い。

まあしかし、俺のファッションセンスはうちの母に言わせると最悪らしいので(夏に会うとチンピラ呼ばわり、春や秋に会うと予備校生呼ばわり、冬に会うとゴキブリ呼ばわり、かしこまった格好をすると葬式帰り呼ばわりである。或る意味俺の性格を性格に言い当てていると言えない事もないが(反社会的でヲタクで汚くて根が暗い)、しかしアンタ実の子に向かってそりゃねえじゃねえかよと思う)人様の格好を云々する資格など無いのだが、その女性の服があまりにもインパクトがあったので、そんな事をぼんやりと考えた。



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来週はカンガワさん、その翌週はオノテツさんの当番です。