遅刻ビール/オノテツ

一区切りついたと思った仕事がまだ完全には終わっていなくて、土日もちょこちょこと続きをやるはめになった。
土曜日は細胞文学が高円寺・円盤でライブだったので、仕事が終わってからかけつけたもののすでに演奏が始まっていて、いかにも遅刻した人のような顔つきで店に入ると、いかにも遅刻した人を迎えるような風情で迎えられて、遅刻したときのようなバツの悪さを感じたのだが、なにせ遅刻したんだから仕方がない。
仕方がないから、ビールをたくさん飲んで忘れた。


翌日の日曜日は迷宮怪のライブで、細胞文学と%ホセを迎えての企画だったが、さすがに遅刻はしなかったものの、店に着いても店主がまだ来ていなくて、店の中に入れずに廊下でしばし待つことになる。
いっそのこと遅刻してくればよかったかと思ったが、店主の遅刻を見越して遅刻するほど勘がよくないから、なかなかころあいが難しい。
もっと場数を踏まないとそのあたりの様子がつかめない。
場数を踏んで何時に行くのがベストかを割り出さないと、店主にも無用なプレッシャーをかけることになる。
長年ライブ活動をしていながら、そんな調子では恥ずかしいかぎりだが、とりあえずビールをたくさん飲んで忘れた。


今日は今日でまた仕事に行ったが、何をしたかはビールを飲んで忘れた。