美人/コジマ

去年の年末、と書くと随分昔のことのようだが先週末、電車の中で30代後半位の母親と5〜6歳位の女の子の親子と乗り合わせた。
その娘の方がかなり大声で母親に話しかけており、聞き耳をたてるまでもなく彼女のセリフを聞いてしまった。


「おかあさん、日本一(にっぽんいちと発音)の美人になりたかったっ?私はなりたかったぁっ!!(一瞬の沈黙)でも、やっぱりどっちでもいいやぁっ!!」


あまりの屈託の無い口調と、内容の深さに笑いを堪えるのに必死だった。
まず最初に、母親にむかってそれとなく「あんたは日本一の美人ではありません」と宣言。まだ幼児なのに、もう日本一の美人にはなれないという諦念。そして「だがしかし、私はそれでもいい」という開き直り。
いや、年の瀬にいいもん聞かせてもらいました。