俺のカノジョ/コジマ

ここ最近の一番の暇つぶしは、住所録を作り直す作業だ。
以前の住所録は、数年前にウサギにかじられた上小便までかけられてボロボロになっており(何故そこまでするのか、チグラーシャよ。住所録がそんなに憎いのか?)、索引部分が喰われていたり部分的に滲んでいたりで相当使いにくく、これを新調するのは数年来の課題だった。
住所録や連絡先の記録などパソコンソフトや携帯で事足りるではないか、とも思うのだが、デジタルのデータは不測の事態で消滅する事があるので(実際に携帯が駄目になって困ったことが何度か有る)昔ながらの紙に手書きのバックアップを取っておいた方が安心なのだ。それに、DMならともかく、年賀状などの宛名をプリンターで印刷されると興ざめではないか。
あっ、ええと今年我が家は祖父が亡くなったので喪中です。よって新年の挨拶は控えさせて頂きます。尚、時節柄一層のご自愛の程お祈り申し上げます。


古い住所録に記載されている友人知人の住所は、相当数が引っ越しその他で変わっており、住所録新調の作業は只単に古い住所録から書き写すだけだとデータが古い場合がほとんどなので、最近頂いた郵便物などを見た方がより正確である。
なので「住所録新調セット」は、新しい住所録、古い住所録、取って置いた郵便物、頂いた名刺、そして筆記具と、結構な大荷物だ。


昨日は古本屋の仕事だったので、このセットを店に持ち込んで、暇なときを見計らってせっせと作業をしていたところ、常連のおじいさんが来店。
何をしているの?と俺の手元をのぞき込んだのは良いのだが、
「誰?それ。にいちゃんのカノジョ?可愛いじゃない」
等と言う。
は?何の事ですか?と訊くと、住所録の横に置いてあるはがきを指さす。
それは知人から頂いた絵はがきであり、その絵柄は若き日の美空ひばりであった。
ははは、するってえと私は小林旭ですかねえ、と冗談を言うと
「誰?それ?」
等という。
じいさん、アンタの歳で何故に昭和の大スターを知らない?
っつーかさ、美空ひばりって可愛いですか?


ああ、そういえばその常連さん、ストライクゾーンは熟女ものでしたW