土日の日記/オノテツ

先週の土曜日はテール・スープのレコ発ライブで、およそ1年ぶりにテールの曲を演奏したが、これがなんと録音されたカンガワさんの歌声に合わせて演奏するという斬新な試みで、えらく難儀した。
コジマ君が、クリックの入っていない録音物に後からクリックを付けるという信じがたい作業を事前にやってくれていたのだが、それでもいざ演奏するとなると思うようにはいかない。
録音したときのオレのピアノが下手クソで、テンポがブレブレだから、合わせようとしても合わないのだ。
かつてないほど集中して演奏しないと曲にならないから、相当に神経をすり減らす。
前日の金曜日に最後のリハを行ったのだが、3時間のスタジオ練習の後はもうヘトヘトで、思わず駅員さんに駅はどこかと尋ねたほどだ。
コジマ君はそれ以前にCDの制作とジャケットのデザインをやっていたわけで、さらに直前までジャケの印刷やら何やらとやるべき作業が一杯あったから、もっともっと疲れていたはずである。
本当はライブどころじゃなかったのではないかと思われるが、これでライブを欠席したら何のために準備したのかわからない。
だからやったが、おかげさまでライブには大勢のお客さんが来てくれて、ペンギンハウスがアザラシになるほどにパンパンに膨れ上がり、盛り上がった。
やってよかったのだが、それもこれもカンガワさんのおかげで、今さらながら彼女の力のほどを思い知らされた。
出演者もそれぞれバラエティに富み、まるで動物園のような華やかさであった。
実際、動物も一人いた。
お客さんも窮屈さを感じる暇がないほどめまぐるしい展開で、存分に楽しんでいただけたことと思うが、最後の最後にオレらが出て行って、すべてが台無しになったのが感慨深い。
なんともテール・スープらしい終わり方で、そのせいか用意したCDも無事に完売した。


ライブ後の打ち上げはもちろん「赤ちょう」である。
すかさずコジマ君がエミュ刺を注文する。
目の前に座っているUくんは、好物の唐揚げを頼んでいる。
ピザパイなるメニューをオーダーしたら、パイのチーズ焼きが鉄鍋で出てきた。
終電で帰るつもりだったが、先に帰ったはずのコジマ君が電車を逃してリターンしてきたので、そのままなし崩し的に朝までコースとなる。
とはいえ、赤ちょうは夜中の3時に閉店だから、ずいぶん半端な時間に店を追い出されるはめになった。
ズッキーとカタンは翌日朝から仕事が入っているそうで、そのままフラフラと家路についた。
働き者だなぁと感心する。
ジョンも翌朝早くに新幹線で京都に行かなければならないから、先に帰ってしまった。
残った四人で高円寺駅前の「海峡」に行く。
もう腹が一杯なのに、K君が「ここの唐揚げはスゴイ」と言うものだから、スゴイもの見たさに注文した。
本当にスゴイ唐揚げで、何がスゴイって、コロモがスゴイでかい。
言いだしっぺのK君は、「ね、スゴイでしょ」と言ったきり口をあけて寝てしまったから、仕方なしに食った。


翌朝起きると、胃もたれがする。
唐揚げ効果がテキメンである。
ケータイメールには仕事の連絡が入っている。
何時でもいいから来てくれとのことだ。
遅くに行けば、それだけ帰りが遅くなるだけだから、もたれた胃を抱えたままいそいそと準備をして出かけた。
コジマ君はもう仕事をしている時間なんだなぁ、と思いながら電車に乗る。
オレも働き者だが、みんなもっと働き者だ。
オレらのこのエネルギーを火力に変換すれば、海峡の唐揚げが20個くらい揚がりそうだ。