仕事2/オノテツ

昨日の仕事の続きに行くはずが、原稿の到着を待っていたら、家を出るのが11時近くになってしまった。
偉大な先輩は昨夜、「明日は午前中には来るから」と言い残して去っていったので、一応遅くなる旨メールを送る。
すると即座に「私もまだ着いてないから大丈夫」との返事がきた。
結局、オレはぎりぎり12時前に現場に着いたが、先輩がやって来たのは昨日と同じ午後の3時である。
なんて素晴らしいことであろうか。
やはり現場仕事はこうでなければいけない。


この偉大な先輩は無類の音楽好きで、仕事の合間やメシのときにもずっと音楽の話をしている。
ビートルズが好きで、特にジョンレノンが大好きらしいが、一方でジャズやニューウェイブなどにも造詣が深く、秋吉敏子から小川未潮まで話題に上る人物の幅が広い。
そして、仕事の間もずっとポータブルのCDプレーヤーで音楽を流している。
それが現場の雰囲気を和らげる一つの要因となっているのは間違いないが、ただ困るのは、どさくさにまぎれて迷宮怪のCDまでかけてしまうことだ。
他にも仕事をしている人がいるから気が気じゃない。
それより何より、机に向かって行う地道な作業にはまるで不向きな曲であると、我ながら強く感じる。
おかげで集中力が途切れ、ミスを続発したことと思うが、とはいえオレのせいではないし、オレの曲のせいでもない。
すべては音楽をポータブルな存在に貶めたSONYのせいである。