弾き心地と音色/コジマ

機材整理のため、ヤフオクに何本かギターを売りに出したのだが、それに質問が来た(あれを利用されている方ならご存じだと思いますが、品物について色々訊きたい事を投稿する欄があるのです)。
  
  
ネットでの楽器の売り買いの場合、試し弾き出来るわけでは無いので、状態については色々しつこく訊いても訊きすぎるという事は無い。
であるから、今までも楽器を出品した場合「電気系統にガリは出ないか」とか「12フレットあたりだと弦高は何ミリか」とか「目立つ傷はどこにどの程度あるか」とか色々と質問された事があり、ある程度ケーススタディは出来ているつもりだったのだが、今朝来た質問はあまりにも漠然としていて回答に困ってしまった。
その質問というのはこうだ。
  
  
「弾き心地と、音色はいかがですか?主観で良いのでお答えください。」
  
  
ううむ、確かに主観でしかお答え出来ない様な内容である。
  
  
弾き心地か。
弦高は高めが好きな人と、低めが好きな人が居るが、これはある程度調整可能な部分なので、訊きたいのはそういう事ではないだろう。
ネックの太さとか、タイプか?
だったらもっとストレートに「平均よりどれくらい太い、あるいは細いか」とか「VとUどっち?」とか訊いてくるに違いない。
つまり、質問者は「弾いているとどんな感じ?」という事を訊いているのだと思う。
ううむ、俺はこのギターを弾いている時どんな感じだったろう。
夢心地だったか?
いや、弾いているだけでそんなに気持ち良いギターだったら、売りに出したりはしない。
悲しい気持ちだったり、むかついてたりしたか?
そういう事も有っただろうが、それはギターとは関係なく、俺のそのときの気分の問題である。
まったりとしているのに、それでいてしつこく無かったか?
何だそりゃ。
  
  
音色、これまた難しい。
エレキなのでアンプやエフェクターのセッティングで、かなり音が違ってくる。
しかも、同じセッティングでも、弾き手によって音が変わるのがギターの面白いところでもある。
アクティブとかトリプルコイルとかの特殊なピックアップだったり、ボディ材が変わっていたりしたらそれなりに答えようも有るだろうが、出品しているのは残念ながら普通の国ストラトだ。
オシログラフか何かで測定し「JC120のノーマルセッティングだと、何ヘルツあたりがかなり出ます」「何ヘルツあたりは弱いです」とか回答で切れば良いのだが、そんな物持ってないし、相手も「主観で」というリクエストだしなあ。
何だろう、ギターマガジンなどでよく見かける「イナタい感じ」とか「粘りがある」とか「ガッツがある」とか?
俺も長年ギタマガ読んでいるが、上記表現についてはさっぱり意味がわからん。
第一、弾き手ややっている音楽に左右される問題だろう、それは。
マーク・ノップラーが弾けばスタインバーガーでもイナタいだろうし、ダイムバック・ダレルが弾けばテスコだって粘りに粘るに違いない。
  
  
随分と長考したが、結局「弾き心地も音色も、特に問題は無く、普通です」というものすごくつまらない回答をしてしまい、ちょっと自己嫌悪。
  
  
関係無いが「逆境ナイン」をDVDで鑑賞。
俺の2時間を返せ。