その4/オノテツ

3時就寝、10起床。
木曜日の日記はどこまで進んだのだっけ。
焼きうどんッ、までか。
今日で日記のバトンをコジマくんに渡さなければならないから、先を急ごう。
要するに焼きたての焼きうどんをフウフウ食べ、テクテクと立川駅まで歩いて戻り、ゴトゴトと電車に乗って吉祥寺に行き、再び図書館に入ったのである。
吉祥寺の、つい先日閉店してしまった三越の裏あたりにひっそりと図書館が鎮座することは前から知っていたが、初めてそこに足を踏み入れた。


が、入ってすぐに蔵書検索を行ったものの、残念ながら目当ての本はこの館には無いことが判明した。
しかし、隣駅の三鷹にある中央図書館で所蔵していると教えられる。
その時点で、待ち合わせ時間まで残り30分。
三鷹の図書館というのは、駅から歩くと15分ほどかかる。
つまり隣の駅とはいえ、電車を待ったり館内をウロウロしたり、さらにコピーをとったりする時間を考慮すると、軽く10分以上の遅刻が見込まれるのだ。
ロハスな時代だから10分程度の遅れくらいどうってことないようにも思うが、初めて一緒に仕事をする相手だから、一応そのあたりには気を遣う。


そこで諦めてもよかったのだが、オレはうっかり一か八かの勝負に出てしまった。
所蔵しているかどうかも定かではない荻窪の中央図書館に行くという博打を打つ。
荻窪は吉祥寺から二駅かかるが、駅から図書館までは早足なら10分以内で辿り着ける。
館内の様子も手に取るようにわかっているから、ブツさえ見つかれば即座にコピーが取れるはずだ。
モノがあるかどうかもわからないのに、時間上の計算だけで「行ける」と思ってしまい、それだけで行動を起こす。
焦ったときに冷静な判断ができなくなるのは悪いクセだが、とにかくダッシュで駅に向かい、エスカレーターを駆け上がって電車に飛び乗り、荻窪で降りてまた走った。
そして、マイペースで歩くご婦人の脇をすり抜けるようにして館内に入り、血走った目で書棚を捜索した。
しかし、目当ての本は見つからない。
やっぱりダメか。
あえなく惨敗である。


ところが、素直に負けを認めて立ち去りかけたとき、目当てのブツの代わりとして使えそうなシロモノが目に入った。
即座に本を抜き取り、複写機の前に駆け寄る。
足踏みをしながらコインを投入し、悶絶した表情でコピーをとった。
大慌てで駅に戻ると、ちょうど6時に次の電車が来ると案内されている。
遅刻は遅刻だが、どうにかこうにか5分程度の遅れで済みそうだ。
この日の成果は、オレの汗が染み込んだ代用の品と5分のロハス
相手の人もオトナだから、きっと許してくれるに違いない。


というわけで、この続きはまた来年。
オレもヒマじゃないから、いい加減木曜日から解放されたいのである。


明日からはコジマくんの日記です。
普通に月曜日からヨロシク!