眩暈/オノテツ

4時就寝、10時起床。
超特急で片付けなければならない案件を請負ったのだが、天気がいいからその前に家の周りの掃除をしようと思い、車庫前の踏板パネルを動かしたらでっかいミミズが二匹出てきた。
そのうちの一匹が跳ねるようにのた打ち回っていて、それを見てビビる。
目の前がクラクラした。
子どもの頃はそこいらへんにミミズがうようよいて、平気で手でつまんでは女子の背中に入れて遊んでいたのに、しばらくお目にかからなかったら、いつの間にか眩暈を起こすほどに気味が悪くなっている。
ミミズも変わったなぁ。
変わったのはオレか。


しかし痛感させられたのは、家の中で活字とばかり戯れていないで、たまには外に出て畑仕事の一つや二つこなさないと、このままではミミズの野郎に負けてしまうということだ。
いや、ひょっとして今日出会った奴らはメスだったかもしれないが、いずれにせよあんな手も足も出ないような輩に手も足も出ないようでは人間としてのコケンにかかわるから、早晩に400ヘクトパスカルほどの畑を仕入れ、愛車のベントレーを売ってコンバインを購入し、バジルだかブラジルだかの葉を育てないといけない。


などと具体的な対策を練りながら、部屋に籠もってパニック障害患者のドッペルゲンガー小説を読み、書評を書いた。
充実した一日でクラクラした。


明日は資源ゴミの日。