ある決心/オノテツ

5時半就寝、9時半起床。
昨日久しぶりに泳いだせいか、今朝目が覚めるとやけに腰が痛い。
腕は平泳ぎのままバタ足で泳ぎ続けていたら、腰がおかしなねじれ方をしたようだ。
今日さっそくカイロプラクティックに行って診てもらったが、そのまま正直に言うのは恥ずかしいから、家で書棚を整理していて痛めたことにしておいた。
まぁ、どっちにしても似たようなものだ。


去年あたり話題になっていた映画『ロスト・イン・トランスレーション』を遅ればせながら観たのだが、これが一つも面白くない。
異文化の中で疎外感を覚える中年男と美女が出会い、恋におちるという在り来たりなストーリーで、その合い間に日本人サラリーマンたちのよそよそしいビジネストークや、LとRの区別がないヘタクソな英語や、電車の中でマンガを読みふける青年や、電子音に溢れるゲームセンターなどなど、コテコテの日本的世界が次々と取り上げられ、主役の二人を引き立てる。
要するにそれだけのことで、他には何もないに等しい。
陳腐といえばこれほど陳腐な映画はなく、むしろ国辱モノとして怒る人がいてもよさそうな内容だが、それすらさせないほどに中身がない。
どうしてこの作品がアカデミー賞オリジナル脚本賞をはじめ数多くの賞を獲得したのか、甚だ理解に苦しむが、監督を務めたソフィア・コッポラのネームバリューだけではこれほどの大事には至らないだろうから、純粋に作品を評価する人が相当数いたということだろう。
きっとオレの感覚がついていけてないのだ。


とはいえ、退屈しながらも最後まで見続けてしまった。
それもこれも、主演のスカーレット・ヨハンソンが次々に繰り出す愛らしい表情にのぼせていたからに他ならない。
こんなことを言うとフェミニズムの方々に怒られそうだが、主演女優が美しいというただそれだけで人を引きつけてしまう現象は、オレに限らず世間一般に多々起こり得るものだ。
しょせん映画なんて、それが全てとは言わないまでも、そんな下世話な部分が多くを占めているのではないか。
オレも普段はエラそうにゴダールがどうのファスビンダーがこうのと言っているが、ここだけの話、無人島には『あずみ』と『あずみ2』のビデオを持って行こうと心に決めている。