恵比寿を立川にしてしまえ/コジマ

朝、惰眠を貪っているとU君から電話。
今日久々にスタジオに入ってジャミングする約束だったのだが、某送れてきた青年から写真展鑑賞に誘われたので予定変更してそっちに行きませんか、との由。
実は、久しくギターをまともに弾いてなかったので昨夜というか今朝5時まで練習してみたのだが、もうなんかどう仕様もない感じでしょんぼりしていたので快諾。ネタも仕込み不足だったし。俺の根性無し・・・・。

写真展は恵比寿の写真美術館で有り、観賞後にいつもの流れで飲むことになったのだが、行った先がメキシコ料理屋。
俺はペキンパーとかマカロニウエスタンとか、テックスメックスを舞台にした映画を好んで観ているくせに、メキシコ料理についての知識が何一つ無い事に気が付いた。
っつーか、あの手の映画の登場人物ってテキーラしか飲んでねえもんよ。で、酒場に入ってミルクとか頼むと「へっ、この坊やがミルクだってよ!おうちに帰って母ちゃんのオッパイでもしゃぶってなアミーゴ、HAHAHA!」とか言われんのな。
もしメキシコに行く事があってもミルクだけは頼まない方がいいよ、絶対。
そう言うわけで、俺はメキシコ料理って言ったらテキーラとミルクだけだと思っていたのだが、他にも色々有ることを知って大いに驚いた。
メキシコ人も固形物を食べるんですね。勉強になりました。

メキシコ料理は思っていたより美味かったのだが、いかんせん一寸酒が高かったので(映画に出てくるメキシコのガンマン達は皆一様に貧乏くさそうな格好をしているけど、本当はお金持ちらしい)もっと馴染めそうな居酒屋を探した。
しかし、恵比寿の様な小じゃれた街にはなんだか小賢しいマーケ屋の手が入った様な店ばかりで、イイ感じの店を探してさまよう。
おうマーケ屋、手前な、「お洒落な一杯飲み屋」とか作ってんじゃねえぞ。立ち飲みとか一杯飲み屋は「負け組」のオアシスなんだよ。
手前等はハンチクな高層ビルのハンチクな展望バーで小じゃれた小便カクテルでも啜ってやがれってんだ。どうせ窓から見える東京の夜景なんて全部サラ金の看板ばかりじゃあねえか、手前等には似合いだぜ畜生。
なんだか通りを歩いているスカした奴等のふぐりを100円傘の先でキュッと押してやりたいような、そんな凶暴な気持ちになってきて、早々に酔っぱらってこの街に「勝つ」事を決意。
勝つ、とはすなわち酔っぱらって通りでゲロを吐くことなのだが、なんだか体調が妙に良かった上、飲みが足らなくて全然気分が悪くなりませんでした。今日はこれくらいにしといてやる。

帰宅途中H君から「今日泊めて」と電話有り。
翌日仕事だし、電車の中でチルアウトしてしまい眠かったので、とりあえず布団だけ出してやって早寝してしまおうと思っていたのだが・・・・・・・。

先日、ゲッツ板谷の自伝的処女小説「ワルボロ」を購入、文章とか相当滅茶苦茶で読みにくいのだが、80年代初期の立川の不良中学生の風俗が面白くて一気に読んでしまった。
じつはH君は立川生まれの立川育ちだ。
彼の言によると「兎に角、立川が嫌で嫌で、子供の頃はこの街から出たくてしょうがなかった。念願かなって」現在国立在住だ。
はじめてその話を聞いたとき「隣の駅やん!」と突っ込んだのだが、彼に言わせると、立川と国立は位置こそ近いけど、もー全然違う街らしい。
「ワルボロ」にもH君が前から言っているのと同じ内容の話が出てくるので、一寸気になっていたのだ。

色々質問したのだが、「ワルボロ」に書かれている当時の立川の状況ってのは真実らしい。
2中が一番ワルくて怖かったとか、朝鮮学校伝統のリンチ「鼻割り箸」の伝説とか、違う中学のなわばりに行くのは相当度胸が要ったとか、「地獄」がスペクターだか(ゴッドスピードユー!)ブラックエンペラーだかに潰された話だとか(酔っていたのでちょっとうろ覚え)、第一デパートの中にあったヤンキー御用達の服屋とか、国立の上品さに対するあこがれとか。
「俺は不良じゃなかったけどね」と言っているが。ホントか?
只H君に言わせると、国立はたしかに上品な街だったが、「国立3中」はワルかったらしい。


俺にとっては、三多摩地区は「なんとなく行き掛かり上たどり着いた土地」なのだが、彼にとっては本当に「地元」なんだ。
ちなみに、彼は職場も三多摩なのだが、組む人間が三多摩人だと「えっ、立川出身?何中よ?×中だったら○○君知ってる?」とか言う話になってうんざりだ、と言っていた。
「だってさー、36にもなって『オメー何中よ?』は無いでしょ(苦笑)歳考えろよって」だってW

ついつい朝まで話し込んでしまい、ちょっと仮眠とっただけなんで、仕事キツイです。
最近毎週土曜はオール。歳考えろよ、俺も。