運動/オノテツ

4時就寝、10時半起床。
歯医者に行った。
左奥の下の歯茎が腫れていて、痛みはないのだが実に具合がよろしくないである。
子どもの頃にはじめて虫歯になった歯で、そのときに入念な治療が施されたはずなのだが、大人になって再び悪化させてしまい、神経を抜いてもらい根幹から再治療した。
それは時間と手間のかかる大変な治療だったが、その甲斐なく、今回またさらに悪くなったらしい。
もちろん、年をとると色々なところにガタが来るもので、それは歯だけに限らない。
特に去年一年間は仕事でアタマを使いすぎたから、脳の神経がいささか痛んできたようで、ちょっとしたことで足元がフラつく。
そこで、歯医者が早めに終ったこともあり、たまにはバランスを取るためにカラダを動かしたほうがよかろうと、近所のプールまで泳ぎに行ってきた。


自慢じゃないが、オレは子どもの頃から水が怖くて仕方がない性質だから、泳いでいる間は常に体が強ばっており、とてもスマートとは言い難いヘンテコな泳ぎ方をする。
力が入りっぱなしだから当然、体は水中に沈んでいくのだが、それに抗して全力で腕をかき、足をバタつかせ、ぎりぎりのところで浮力を保つのだ。
我ながら何とも効率の悪い泳法である。
いわば街中をホフク前進するようなものだが、さすがにプールの端から端まで泳ぎ切ったときにはゼエゼエと息切れするほど疲弊し、この世の終わりのような顔つきになっている。
それくらいの力泳だから、他のスイマーたちのように続けざまに何往復もするような芸当は到底ムリで、25m泳ぎ切っては休み、帰ってきては休み、泳いでいる時間よりも休んでいる時間のほうが長いくらいだ。
これが自分としては大そうな運動なのである。
トータルで100mくらいしか泳いでいないが、トライアスロンで完走した後に、コースの間違えを指摘されて最初からやり直すくらいの疲労度に達する。
カラダも温まり、寝つきも良い。
おかげで泳ぎが上手い人には体験できないほどの充実感を味わうことができる。