連敗/オノテツ

3時就寝、9時起床。
昨日もまた一歩も外に出ることなく、一日中部屋の模様替えに明け暮れた。
さすがに飽きてきたが、もしここで終えてしまったらそれはそれは凄い模様の部屋である。
すぐそこに見えているテレビのリモコンを取るために、本の山を跨いだり、CDの土砂崩れ跡を迂回しながら注意深く近づかなければならない。
時々うっかり道を間違えて、目的を果たせずに元に戻ってきたりする。
この先100年の人生をこんな迷路みたいな部屋で過ごすのはイヤだ。
いっそすべて燃やしてゼロにしてしまいたい。


などとネガティブな考えに陥らぬよう、今日は朝から買い物の日にした。
最初の狙いは家電量販店のセールに並び、今流行のデジタルな小道具を安値で手に入れることである。
ところが起きたらすでに9時で、到底間に合いそうもない。
限定10名だから、おそらくヘリを飛ばして駆けつけてもゲットできないだろうと思い諦めた。


かわりにクルマをぶっ飛ばし、新宿東口の某デパートに行く。
次なるターゲットは、母上が狙っているボルドー産ワイン6本セットの福袋。
福袋のくせに、中身がワイン6本だと明言してしまう潔さが心憎い。
この正直な演出が女性のハートを射止めたのか、到着したときにはすでに売り切れゴメンと書かれた旗がハタハタとはためいていた。
100セット以上も用意されていたはずなのに、それが一瞬のうちに売り切れるなんて、ベン・ジョンソンを髣髴させる出足の良さである。
今後は是非、セール会場でもドーピング検査を実施してもらいたい。


明日は燃えるゴミの日。