お年玉/オノテツ

ヨメさんが出産した病院から電話があり、預かり金の2万円をまだお返していないので、いつでもいいから取りに来てほしいとのこと。
すっかり忘れていて、預かり証も無くしてしまったが、記録が残っているから大丈夫という心強い言葉をいただき、いそいそと受け取りに行った。
一足早く、予期せぬお年玉をもらった気分である。


待合室には相変わらず妊婦さんたちが大勢いて、年末も正月も関係なく胎児は成長するのだなぁと感心する。
ご苦労なことであるが、胎児や新生児や乳児にとって正月も何も関係ない。
うちの子も、年末だというのに大半を寝て過ごし、起きているときにはオッパイを飲んでは飲み過ぎて吐き散らし、糞尿を垂れ流してはまた寝てしまう。
こちらもその後始末に追われるうち、いつのまにか年を越すのであろう。


さすがに子どもがいると部屋が汚れる。
仕事もどうやらひと段落ついたようだし、大掃除でもしようかと病院帰りに掃除の道具を買って帰るが、夜事務所から電話があり、明日1日だけ仕事を頼みたいといわれる。
すでに掃除の段取りを組んでいたが、この不況下に12月30日まで仕事があるなんてありがたい話だからやることにした。
掃除なんていつでもできるのである。