プリーズ・キル・ミー/コジマ

いきなり泣き言で恐縮なのですが、今忙しすぎて頭も身体も調子が悪く、自分が何をやっているのかよく分かりません。
今日も晩ご飯の買い物に行こうと思ったら財布が見あたらず、小一時間ほど探しても見つからないので、ヤケになってビール(風リキュール類)でも飲んでやれ畜生と思い冷蔵庫を開けたら、何故か財布はビール(風リキュール類)と一緒に冷え冷えになっていやがった。
おまけにその横で、何故かアダルトDVD(主演・麻美ゆま)も冷え冷えになっていたんですが、一体全体何故こういう事になっているんでしょうか。
ちょっと泣きそうになりました。
今年前厄のいい大人なんで、そこはグッと涙を堪えましたが。



そんな風に疲れ切っている心に、グッと染みる一冊を読んだ。
「プリーズ・キル・ミー」。
著者はレッグス・マクニール&ジリアン・マッケイン、メディア総合研究所刊。
友人の大久保君が編集者として関わった本で、先日新大久保アースダムで行われた「プリーズ・キル・ミー」と「アメリカン・ハードコア」(同じくメディア総合研究所刊で大久保君が編集している)の発売記念イベントのフライヤーを彼に依頼されて描いたのだが、そのギャラとして頂いた物だ。



ヴェルベッツからコントーションズまでのオリジナル・パンクの歴史を描いた内容で、ミュージシャン本人や元マネージャー、グルーピー等有名無名多数の人々のインタビューで構成されているのだが、これがもう大馬鹿野郎しか出てこなくて最高なのだ。
インタビューの集大成で非常に読みやすいのだが、500頁超の分厚さの上1頁あたりの文字数も多く、読み応え満点である。その上、彼らの一言一言が一々感動的なので、噛み締める様に読んでいたら結構時間が掛かった。
駄目で、馬鹿馬鹿しくて、感傷的な物語。
主軸になっているのがストゥージズやニューヨーク・ドールズラモーンズなので、内容はまさにセックス&ドラッグ&ロックンロール。


誰とでもヤっちゃうニコ。


ニコに淋病をうつされて青くなるイギー。


男娼をやってヘロインを調達するディー・ディー・ラモーンやリチャード・ロイド(やその他大勢)。


もう、想像通り悲惨な奴で、読んでいて悲しすぎて笑うしかないジョニー・サンダース


バンド全員とヤっちゃう女。



穴があったら男でも女でもイイ男。



最高だ。
クスリを打つしか生き甲斐がないロッカーとか、有名人とセックスするのに血道を上げているグルーピーとか、非生産的な事極まりない。
兎に角ダメな奴目白押しなのだが、どいつもこいつも全然ヌルくねえのが凄い。
意味不明の情熱に突き動かされて生き急いでいる奴ばかりだ。
感動的なのだがイマイチ理解できないでいたところ、リチャード・ロイドの一言で腑に落ちました。



「だからさ、エベレストに登る人達だって居るわけだろ。そう言う人達のほうがまともだって言える?」