鳴らす/コジマ

週末、バンド「ギロチン工場」今年最後のリハ後、そのまま忘年会になだれ込む。
「忘年会」と言うだけあって、あの日の事はあまり覚えてません。
なんか楽しかったような気はするんだけど。
飲み過ぎました。
焼酎一升空けてたからなあ。



そう言うわけで、忘れたいことをアルコールでじゃぶじゃぶと洗い流す季節になって、忘れてはいけないことまでじゃぶじゃぶやってる俺なのだが、印象深い忘れられないライブを最近2本ほど体験したので忘れないうちにメモっとこうと思う、ってやっぱりそれすらも忘れそうなのか、俺よ。
いや、最近ホント忘れっぽくてヤバイんですよ。
洗面所で顔洗って蛇口を元に戻すの忘れたりとか、お湯わかしてコンロの火を消すのを忘れたりとか。
危険だよなあ。



まずは金曜の「青い部屋」リニューアル7周年記念での迷宮怪とジョン(犬)ちゃん。
迷宮怪は本当に「あっ」という間の出番で、いつものグダグダのmcも無く駆け足で3曲だけではあったが、実に印象深い演奏だった。
ギターのトーンがいつもと違ったせいもあるだろうが、ピアノとギターによって構成されている曲のボトムが太くて凄く安定していたと思う。
それによって、テルミンとサックスによるリードの浮遊感がいつも以上に生きていた。
新曲も結構ドラマチックな感じで良かった。
それにしても、3曲は短かったと思う。
グダグダなmcも、無いとちょっと寂しいなあ。



JON(犬)ちゃんは、本番始まる前に本人も言っていたように「いつも通り」なライブだったのだが、スゲエのはそれでも笑える所だ。
もう多分10回以上(曲によっては数十回)は聴いている曲で、落ちなんかもー全部わかっているのに笑ってしまう。
名人の古典落語を聴いているみたいな気分である。
10年後、20年後も、こうやって聴けたらいいなあ。
ライブが終わって数日たっているのだが、ぼんやりしている時などに「♪川下り〜、男の世界〜」とか「♪火に近すぎるとヒゲ燃える〜」だとか歌っている自分に気づく。
凄い感染力だよなあ。



ちょっと前になるが、12月1日に、高円寺のギャラリー「45-8」(http://d.hatena.ne.jp/gallery458/)で行われた「大友良英ギターソロ サウンドトラックス」も印象深いものだった。
それは同ギャラリーで展示中だった「大友良英 楽譜展」の企画の一環・・・いや、展示がライブの企画の一環だったのかな・・・まあそんな感じのもので、PAシステム無しの完全生音による、人数限定のライブだった。
使う生ギターはギブソンのビンテージで、彼はそれを相米慎二の遺作「風花」の録音の為に買ったそうだ。
凄く良いビンテージなのだが、自身に生ギターの演奏スキルが無いので「いい音が出るポイント」を鳴らしていくことで曲を作ったと言う。
演奏スキル云々の部分は「またまたご謙遜を」という感じなのだが、しかし曲と音は、確かに自然に「鳴っている」感じでとてもイイ感じのものだった。
俺は生ギターどころかエレキのスキルも無いので、「いい音が出るポイントを鳴らす」と言う感覚には共鳴出来た。
「弾き倒すギター」も嫌いじゃないのだけれど、もっとご飯を食べるように聴くことが出来るギター、たとえばマザケインだとかジョン・フルシアンテのソロなんかは、なんというか勝手に鳴っている感じがするよなあ。



ところで件の「風花」だが、未見です。
実は相米の映画って、ちょっと苦手なんだよなあ。

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来週はカンガワさん、その翌週の当番はオノさんです。