SF的忘却/オノテツ

今日はカンガワさんの命日で、コジマくん宅にお邪魔して線香をあげさせてもらった。
酒を飲みながらしんみりと思い出話などしようと思い、ビールと焼き鳥、それにカンガワさんの好物だったカニクリームコロッケを持っていったのだが、飲みすぎて何をどう話したか忘れた。
何となくYMOとバトルズの話ばかりしていた気がするが、気のせいであってほしい。
後からMさんも合流し、さらに酒量が増えたのだが、コジマくんが焼いたサンマが美味かったことだけはうっすら覚えている。


それにしても早いもので、去年一周忌のライブをやってから、気がついたらさらに一年が経過している。
なるほど、地球の温暖化が進むわけだ。
亡くなってから二年ということは、仏教的には三回忌というやつで、四の五のいわずにロクでなし、みたいな美しい並びになるわけだが、そうこうしているうちに七回忌を迎えるのだろう。
そのころには、平均気温は89℃に上がっているはずだ。
ジュージューと燃えさかる地球。
ここにもうひとつの太陽が誕生する。


などとSF的な発想になびくのは、昨日、未来型のヴァイオリニストT君と高円寺で飲んだからに他ならない。
ふたりで火鍋をつつきつつ、諸々の真面目な相談ごとをしたのだが、やっぱり飲みすぎて何をどう話したか忘れている。
何となくずっと笑っていたような気がするが、気のせいであってほしい。


いくつもの忘却の中で、ときおりカンガワさんのおどける姿が脳裏をかすめる。
シラフの頭をよぎるから、おそらく気のせいではないだろう。
脳と冥界は、四次元的なつながりでしっかりと結ばれているらしい。
ただ、一方通行なのか双方向なのか、その点がわからない。