差別語について/オノテツ

日ごろメガネをかけているが、別にアンジェラアキに触発されたわけではなく、本当に目が悪いのである。
どれくらい悪いのかというと、運転免許の更新の際の視力検査で、二度間違えたあげく三度目にやっと正解してギリギリOKが出るという、それくらいの悪さだ。
上か下か右か左の四つしか選択肢がないのだから、当てずっぽで臨んでも四分の一の確率で正解できる。
それでも二度の過ちが許されるとは、警視庁もなかなかフトコロが深い。
ちなみに三度失敗したら、その時点で失格なのだそうだ。
「勘が悪すぎて危険なドライバー」と見なされるのだろう。


それほどまでに目が悪いオレだが、ふだん目を使う仕事ばかりしていて、まったくアタマを使っていないからタチが悪い。
脳がさびつく一方で、目は酷使されて衰えるばかりである。
このままだと共倒れになりそうだから、たとえ脳ミソのほうは手遅れだとしても、せめて目だけは見えるようにしておきたいと思い、年に一度、目の保養をかねて眼科検診に行くことにしている。
お茶の水の駅前にあるI眼科病院というところに行くのだが、眼科のみの専門病院にしてはなかなか大きな組織で、看護婦もたくさん働いている。
「看護婦」という表現が男女差別につながるからいかんという話だが、「若い看護婦のネーちゃんが大勢いる」と言えば、少しは差別感も和らぐだろうか。
いずれにせよ、眺めが良くて目の保養にはもってこいの場所だから、誕生日もクリスマスも、おやじの命日すらも忘れているオレが、眼科検診だけは毎年欠かさずにきちんと行くのである。
これが「看護士」だったらそうはいかない。