カウントダウン/オノテツ

5時就寝、11時起床。
谷中のスカイ・ザ・バスハウスで宮島達男展「FRAGILE」を観る。
相変わらず発光ダイオードを使ったデジタル数字のカウントダウンだが、以前よりもずいぶん柔らかい印象のものになっている。
数字が点滅する球が水中にプカプカと漂い、その数字が10、9、8、7と変わっていく作品など、文明が滅んだ後の世界に生息する植物みたいで気味が悪く、ついつい見続けてしまった。


帰りがけに根津で一杯ひっかけていたら、その飲み屋に現われた常連客らしき人が、とても話がしたいという顔でこちらを見ている。
試しに話してみたら、どうやら本当に話がしたかったみたいで、話が止まらなくなってしまった。
何を話しているのかというと、内容のあることは一つも言っていないのだが、とにかく話し続けていたいみたいで、呂律の回らない舌を懸命に動かしている。
そうこうするうちに酒も進み、いよいよ口が動かなくなってきたら、今度は手が出てオレのことを触り始め、ついには叩き始めた。
このままでは次に足が出て、その後にゲロが出てくるのは間違いないから、頭の中でカウントダウンをしつつ、機を見てさっさと引き揚げた。