大会社の怪/オノテツ

3時就寝、10時起床。
夕方から夜中まで某大手出版社内で仕事。
今まで何度も前を通り過ぎたことがあるビルに、生まれて初めて潜入した。
さすがは大会社だけあって、警備員が立っているにもかかわらず自由に出入りができるほどの大らかさである。
しかし、大会社だからどこかに罠や仕掛けがあって、黙って入ろうとするとブーっと鳴ったりするかもしれない。
そこで、あえて受付で入館の手続きをとってから入場した。
受付嬢は小鳥のようにキョトンとしてオレを見ている。
ただ受付をしてもらいたかっただけだから、そんなに戸惑う必要はないだろうと思う。
それに彼女たちも周りの人々から忘れ去られないように、たまには仕事をするのも悪くない。
あるいは受付嬢のフリをしたウグイス嬢だったかもしれず、だとしたらキョトンとするのも当然だ。
警備員に見えた男性も、何か棒のようなものを持っていたから、打順を待っているだけだったのかもしれない。


明日は資源ごみの日。