バンド事情/オノテツ

昨夜、嵐の中ライブ会場に足を運んでくださった方々は、真にリアルな本当のライブ好きとして心から尊敬いたします。
もしかしたら濡れるのが好きなだけかもしれないが、それでも演奏する側としては大いに励まされ勇気がわき、一段と気合が入ったのは事実だ。
それがステージングにいっさい反映されないのがハーピーハーピーたるゆえんで、いつにも増して淡々と演奏し、また淡々と間違えながら、首尾よくメインのチルドレンクーデターさんに繋いだ。
たとえ大地震が来ても、あるいは丹波哲郎が死んでもこのスタンスに変わりはない。


さて、明日は迷宮怪のライブであるが、つい先日にも演奏したばかりだから、今回は何か違うことをやらないと芸がない人たちと思われてしまう。
そこで、手品なり腹話術なり、ひとり一芸披露しようかと思ったが、メンバー4人が一芸ずつ披露するとなると、今度は演奏時間が足りなくなる。
2人が芸を披露し、それなりに演奏もするという折衷案も考えられるが、そのためには誰と誰を選び、誰と誰を落とすかという新たな問題が浮上する。
下手をすればバンドの解散に繋がるような繊細な事項なので、おのずと慎重にならざるを得ない。
こうしてあれこれ悩むうちに、ライブはもう明日に迫っている。


悩みと焦りがシンクロすると、いっそ霊界の丹波さんにお願いして大地震なりハルマゲドンなりを起こしてもらい、オレ以外のすべての人が死んでしまえばいいと、ほんの一瞬ではあるが思うことがある。
そんなキケンな思いをライブに込めると、演奏自体は案外長閑なものになり、会場の雰囲気にすんなり溶け込むことができる。